投資を始めるというと、多くの人は、セミナーに参加しようとか、少額でもいいから実際に株を買ってみようとかするんですけど、実はその前にすることがあります。 それは、自分の健康に関する投資です。 といっても、お金をかけるのではなく、むしろ節約して、かつ健康が向上する投資です。 ここで、Aさんという架空の人物に登場していただきましょう。 Aさんは、介護施設で働く、40代の独身女性です。仕事がら時間が不規則になりがちで、食生活が乱れていました。自炊はせず、食事はすべてコンビニか外食で済ませています。 買い物が面倒になるとお菓子で夕食を済ませることもしばしばで、体重は平均体重を上回り、外見的にもさることながら、健康的にも内心はよくないと感じています。長年の習慣である喫煙も止められず、ストレスの増加と共に喫煙量は増える一方です。仕事面では、収入が伸びず、最近では仕事に対する意欲が低下しています。 さて、このAさんが、もし投資を始めるとしたら、何がお勧めでしょうか? 株でしょうか?それとも投資信託でしょうか? 答えは「生活習慣の改善」ですよね。 Aさんの状況のような人は、たくさんいるのですが、その危険性はあまり認識されていません。 自らの健康は、もっとも強力なレバレッジです。 もし、健康を失ったら、どれだけのコストがかかるか想像してみてください。 ここでいう健康というのは、生活習慣の改善によって得られる範囲のものです。 ちょっと習慣を変えるだけで、得られる利益があるのに、多くの人は自分をリスクにさらしています。 Aさんの場合は、まず食生活と禁煙をすることで、かなりのレバレッジを得ることができます。これがAさんの投資の前の投資です。 もうすでに投資はスタートしているのです。 ここでAさんが「どうせ何をしても無駄」だと考えて、何も行動しなかったら、この投資は失敗に終わります。 ロバート・キヨサキさんが著書で度々書いていた「言葉には力がある」という言葉を思い出してください。 貧乏父さんの口癖はこうでした。
- 私には、そんなことはできない
- 私には、それを買うお金はない
こんなふうに言い切ってしまったら、本当にその通りになってしまうでしょう。
Aさんのケースでいえば「コンビニと喫煙をやめることはできない」という言葉です。
その言葉が、やがて血となり肉となり、現実化するのです。
Aさんが、それを心底望んでいるなら誰も止められませんが、そんなことはないはずです。内心では不健康を気にしているのですから。
でも、楽な方に流れていたら、貧乏父さんの思考に流されていくばかりです。
Aさんには、がんばって金持ち父さんの思考をしてもらいたいんです。
- どうすれば、私はそれができるようになるか
- 悪い習慣を断ち切る、効率的な方法はあるだろうか?
金持ち父さんは、このように考えます。
この場合、Aさんは、どうすれば自炊と禁煙ができるか?を考えることがとっかかりとなります。
その後、仕事でストレスかあるのなら、転職する必要があるかもしれないし、転職するために何か勉強をすることが必要かもしれません。
こうして、一つずつ課題をクリアしていきました。
すると、Aさんはコンビニで定価の買い物をする代わりに、割引のスーパーで買い物をすることで節約効果から、お金に余裕ができていることに気付きしまた。タバコの本数を減らしたことも効果的でした。
これは、いわば複利の効果です。
複利効果は、まだあります。Aさんは、最近、体調がすごぶるよくなっています。以前はすぐに風邪をひいていたけど、今は元気に職場にいくことができています。これも複利効果です。
さて、後は禁煙を成功させれば、Aさんの投資の準備は完了です。
次の段階では、これまでしてきたことを金融商品などの投資対象物に振り向ければいいのです。
- 株で儲けることなどできない
- 投資をする金銭的余裕はない
そのような言葉は使わずに・・・
- どうすれば株で配当を得られるだろうか?
- 投資の軍資金を得る方法は何があるだろうか?
と、このような言葉を使っていけば、やがて投資で利益が得られるようになるでしょう。
みんな、もっと自分を大切にすべきだと思います。
これは、私自身が自分に言い聞かせる言葉でもあります。
本当に自分を大切にすると、無益なことには一切かかわりようがなくなると思うんです。
投資というものが、先々のことを見通して行動することであるなら、まさに無益に関わらないということも投資といえるのでは?
最近、そのように感じるのです。
もちろん、頭でわかっていても、そうはいかないのも承知しています。
私も、つい無益なことで怒ったり、悪癖にふけったりすることがあります。
その度に、猛反省しています。
どうすれば、もっと自分を大切にできるのか?
どうすれば、もっと実益のあることにパワーを使えるだろうか?
その言葉を呪文のように唱えています。(一人でいる時に)
投資を始める前の投資対象物は、自身の心だったり、考えだったり、習慣であったりするのかもしれません。
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