私は、ある自治体で非常勤職員をしながら副業をしています。

昨日の朝礼で、こんな話がありました。

地方公務員というのは労働組合の活動が活発で、朝の朝礼で労働組合の活動の報告などが一部行われます。

昨日の報告は、期末手当(ボーナスのこと)が減る
というお話でした。

公務員は待遇がいいというのがもっぱらの評判ですから、これを聞いたあなたは、
「いい気味だ」
と思ったかもしれません。

たしかに公務員は民間に比べて給料もボーナスも高めですし、期末手当が減らさせるといっても微々たるものです。今回の話は、生活に影響のある話ではありません。

しかし、当の公務員からしたら一大事で、
「少ない収入がさらに減らされた」
という感覚なのです。

日常的に正規の公務員と接している私は、恵まれた公務員が口にする「給料が安い」というたぐいの言葉をきくと、人間の感覚の鈍さを感じずにはいられません。

外から見たら全然大したことがないことなのに、さも一大事に感じてしまう。

これが公務員の怖いところです。

公務員の収入源は税金です。自分たちで何か付加価値を生み出してお金を稼いでいるわけではありません。

税から給料をもらっている立場なので、その仕事は税の無駄遣いをしないという保守的なものになってしまう。構造的にそうならざるを得ないのです。

したがって今回のように期末手当が減るという話になっても、対策としては、労働組合を通じて交渉するということしかありません。
副業をしてもっと収入を増やそうとか、転職するという選択肢はないわけです。
公務員の人達は副業禁止ですし、今更大企業に転職する気もないのです。

今回の期末手当が減るという一件は、私からいわせれば何の痛手もないことです。
他の福利厚生を考えれば、まだまだ公務員は安定した恵まれた仕事なので、その地位にしがみつくことが一番の安全パイの方法だと思っています。

このような感覚が非常に強いのが公務員なので、公務員はリスクをとってお金を稼ごうという気持ちには、なかなかなれません。そんなことしなくても安定してお金が得られるからです。

でも、それってある意味では不幸なことかもしれません。

辞める選択肢がほとんどない分、一生公務員で終える可能性が高い分けですから、死ぬ間際になって、もっとやりたいことをやればよかったと後悔しなかという哲学的問題でもあるのです。

ちなみに私は非常勤の公務員なので副業は可能です。
ボーナスも昇級もありませんし、来年この仕事をしているかさえわかりませんが、休みの日に何をしようが関係ありません。
公序良俗や法律に反するようなことでない限り、どんな副業をしてもかまわないことになっています。

そして、圧倒的な低待遇で、副業へのモチベーションが途切れることがありません。人間は、追い詰められた感覚がないと行動し続けることはきわめて難しいと常々感じている次第です。

その点、私は、低待遇であることにメリットがあるとポジティブにとらえています。

あなたも、もし低待遇の仕事に甘んじているとしても、落胆する必要はありません。物事は全て表と裏があります。

低待遇の裏には、隠されたメリットが必ずあります。問題は、そうしたメリットを見つける心眼をもつことにあります。

超絶ブラック企業のように裏と裏しかないようにみえる職場も一部ありますが、そのような職場は、即刻辞められるというメリットがあることに気付いてください。

他の職場に移ることにメリットがあるならば、転職は十分にありですし、今の会社に残って会社の養分を吸収しつつ、副業で稼ぐこともありだと思っています。

大事なことは、今の状況を第三者的に観つつ、危機感をもってメリットのある行動をとることです。

それが、危機感が副業を育てるということです。