日本人は、株とギャンブルの区別がついていない人が多い。
私もかつては、その一人でした。
ギャンブルに対するアレルギーがあるのです。
もしくは、まったく知らないことに対して嫌悪感があるのです。
身近な人に対して、
株式投資をしようと思います
なんて言ったら大変
「そんなことをする暇があったら、額に汗水たらして真面目に働きなさい」
と言われてしまう。
例えば、就活をしている学生が、親に対して「投資家になる」といったら、まっこうから否定されます。
あるいは、会社員が同僚に対して「株をやろうと思っている」と告げたらどうなるか・・・
面と向かって言われないまでも、内心だらしない奴だと思われたり、陰口をいわれるのがオチです。
BNFさんのような人が株で成功した事実は、単なる偶然でしかないと切り捨ててしまうのが、株を否定する人達の特徴です。
BNFさんは、若くして株で巨万の富を築いた、株の世界では有名な方です。
その生活スタイルは、億万長者のイメージとは違って、質素です。
以前、あるテレビ番組で、BNFさんが取材を受けていました。
株式投資で、莫大な利益を得ているのに、食事はコンビニでカップラーメンを食べていたり、旅行や贅沢には興味かないといったことをコメントしていました。
その映像を見たテレビのコメンテーターのコメントがこれです。
- お金だけが人生じゃない
- 悪銭に身につかず
ですって。
これって象徴的です。
株とギャンブルの区別がついてないことの証といえるでしょう。
株で得た利益は、悪銭ではありません。
運が良かったという要素はあるかもしれませんが、運を掴める人というのは、準備・勉強・実行・努力をしている人だけです。
棚からぼたもち式で、運をつかめることは、株式投資に関してはありません。
株に否定的な考えを持つ人に対して、株をやりますなんて宣言しても何の得にもなりません。
頑なに隠すこともないですが、あえて言わなくてもいいんです。
ついでに言うと、株式投資を人に勧めるというのは無意味ですし、儲かったとか、損したとかいうのも言う必要性もありません。
ちなみに、株で儲かったと伝えると、次には
「儲かる株を教えてよ」と言われます。
そんな株は無いとしか言いようがないですよね。
株は、何を買うかということも大切ですが、いつ買うか、それをいくらで買うかということが利益に関わってきます。
だから、後になって、儲かった株を追随買いしても、もう株価は変わっているので無意味なのです。
つまり、儲かったという段階(利益確定)では、もうその株は買いではないということです。
例えば、少し前にポケモンGOがはやりましたが、あのとき任天堂の株を買っても、株価が高値掴みになっていたというのと同じことです。
任天堂の株で利益を得ている人は、ポケモンGOが出る前から、仕込みをしていた人です。
話を戻しますと、要は「絶対に儲かる株は教えようがない」ということです。
なのに、株で儲けているなんて言おうものなら
「ケチ」
と言われます。
じゃあということで、ウォーレンバフェットさんが買っている株を、追随買いするようなアドバイスをしても
「ふーん」
で終わりです。その人が株を買うことは、まずありません。
そもそも株を買うという段階に行くには、一回の取引で50万とか100万とか使う訳ですから、高いハードルがあるのです。
安全主義の人が不確実なものに、そんな大金をなかなか出せるものではありません。
こんなやりとり自体が無意味なので、結局「人に言うのはやめましょう」となります。
株に興味があったり、理解がある人に対して、談義をするのはいいんです。
でも、ロバートキヨサキさんの言う、貧乏父さんのような人に対して、株をやりますって言っても理解されない。
これは、人間の脳の構造上理解できないようになっているというのが大きいです。
脳は、最終的には、自らのが経験したことの範囲でしか相手を理解することができないようになっています。
偉そうに言う私も、実は人のことを言えません。
例えば、山登りの良さが私には、分からないので、遭難するリスクをとってまで険しい登山をしようとする人の考えが理解できません。山頂に到着したときの爽快感がたまらないとか、その程度のことは知識としてはわかりますが・・・・
知識レベルで、自身の経験に反することが存在することを知っていても、脳の情報処理の都合上、真の意味では理解しないで済ませてしまう。また、時間がないので、そうせざるを得ないという側面もあるでしょう。
なので、株のことを理解していない人にとっては、リスクの高いものとしてしか目に映らないのも無理はないのです。
それでも、賢明な人なら、理解できないことでも、相手を批判したりせず、聞き流してくれますが、こと株に関しては、多くの場合、反応はネガティブです。
- 株はやるな
- 真面目に働け
- 貯金をしろ
このような安全主義のアドバイスばかりです。
身近な人ほど、親切心でこのようなことを言う可能性があります。
そもそも、株をギャンブルと思ってしまう人というのは、Eクワドラント(サラリーマン)の人が多い。
自らの勤務する会社が株式会社であるにもかかわらず、株を買うことはギャンブルだというのです。
法的には、株式会社は株主のものです。
でも、株がギャンブルだと思っている人は、それを認めません。
会社は社員のものだといいます。
気持ちは分かりますが、実態は違います。
ただし、こうした思考の壁は、他人事ではなく、株の初心者自身の頭の中でも起きるやり取りです。
株を始める時に、最も高いハードルとなるのが、無知による投資への恐怖心です。
知らないことは、怖い
銀行に貯金をするだけの行為が、実質的に資産を目減りさせているということが、どうしても実感しにくいのは、誰しもあることです。
ただ、不思議なのは、そういう貯金至上主義の人でも、他のリスクに関しては、驚くほど無関心であることが多いということです。
またポケモンGOを例に出しますが、以前、自動車を運転しながらスマホの操作に気を取られ、死亡事故を起こした人がいました。これにはどんなリスクがあるでしょうか?
この事故には、法的な責任はもとより、損害賠償などで経済的に破産になってしまうほどのリスクがあります。
株式投資にお金を使って、そのお金がなくなるリスクよりも、はるかに高い、犯してはいけないリスクです。
これは、極端な例だと思うかもしれませんが、株で損するよりも、リスクの高い行為を日常的に犯していることには、なかなか気づかないのが人の心理です。
もちろん、だから株を制限なくどんどん買いましょうと言いたいのではありません。
株式投資は、その専門用語や仕組みの基本を理解してから行うべきものです。
資金の豊富な人は、まず少額の株を買ってみるという方法はありますが、小資金の人は、まず株の知識を身に付けることに投資することが先決です。
そして、知識を得たら、コントロールできることを増やしつつ投資をしていく。
そして、長期投資から入っていく。非常に堅実です。
一か八か、ハンかチョウかという博打ではありません。
余裕資金の中から行う長期投資です。
でも、お金を投じて、損益が出る可能性がある限り、多くの日本人にとっての株式投資はギャンブルと同義に捉えられています。
結論は、
- 株式投資をする場合は、人に宣言してなくいい
- 投資についてコントロールできることを増やすために勉強し、堅実な投資家をめざせるようにする
となります。
参考にしてみてください。